朝起きたら喉が痛い。熱はないけれど、コロナかもしれないと不安になっていませんか。
熱がなくても喉の痛みが新型コロナウイルス感染症の症状であることはあり、発熱より先に喉の痛みが出ることもあります。一方で、風邪や乾燥、アレルギーなどコロナ以外の原因も少なくありません。
「熱がないからコロナではない」と思い込むと、周囲にうつしてしまったり、治療が必要な細菌感染などを見逃したりするおそれがあります。
この記事では、コロナによる喉の痛みの特徴、ほかに考えられる原因、確かめ方、過ごし方、受診の目安について解説します。
落ち着いて次の行動を決めるための参考にしてください。
喉が痛いけど熱はないときもコロナの可能性はある
まず押さえておきたいのは、熱がないことだけでコロナを否定することはできないという点です。
新型コロナウイルス感染症では、症状の出方に大きな個人差があります。発熱がはっきりしないまま、喉の痛みが中心となる人もいます。
新型コロナでは喉の痛みが目立つことがある
オミクロン株以降の新型コロナでは、肺炎よりも喉の痛みや鼻水などの上気道症状が多くみられるとされています。
なかでも喉の痛みは、比較的よくみられる症状のひとつです。
人によっては「唾を飲み込むのもつらい」「カミソリを飲み込んだような痛み」と表現されるほど、強い痛みが出ることもあります。ただし、痛みの強さには個人差があり、軽いイガイガや違和感程度で済む人もいます。
熱が出ない、または発熱の前に喉が痛むこともある
新型コロナでは、発熱がない人や、37度台の微熱程度にとどまる人もいます。
加えて、喉の痛みが最初に出て、あとから発熱するという経過をたどることもあります。喉が痛み始めた時点では熱がなくても、半日から翌日にかけて熱が上がってくるケースもあるため、体温の変化はこまめに確認しておくと安心です。
感染してから症状が出るまでの潜伏期間は、オミクロン株以降は2〜7日(多くは2〜3日程度)とされ、以前より短くなっています。数日前に人混みや会食、陽性者との接触があった場合は、その点も判断材料になります。
コロナを疑いたい喉の痛み以外の症状
喉の痛みに加えて、次のような症状がある場合は、新型コロナの可能性も考えておきましょう。
- 咳
- 鼻水・鼻づまり
- 倦怠感(だるさ)
- 頭痛
- 関節痛・筋肉痛
- 味覚・嗅覚の異常
- 下痢
また、家族や職場に陽性者がいる場合は、症状が軽くても可能性は高まります。
喉の痛みが出る主な病気を比べると、次のようになります。
| 病気 | 喉の痛みの特徴 | 熱 | ほかの主な症状 |
|---|---|---|---|
| 新型コロナ | 軽い違和感から強い痛みまで幅がある | ないこともある、微熱から高熱まで | 咳、鼻水、倦怠感、頭痛、味覚・嗅覚の異常 |
| 風邪 | イガイガ、軽い痛みが多い | ないか微熱程度が多い | 鼻水、くしゃみ、軽い咳 |
| インフルエンザ | 喉の痛みを伴うことがある | 急な高熱が多いが、出ないこともある | 強い倦怠感、関節痛、筋肉痛、頭痛 |
| 溶連菌などの細菌性咽頭炎・扁桃炎 | 強い痛み、飲み込むと痛む | 高熱を伴うことが多い | 喉の白い膿、首のリンパ節の腫れ、咳は目立たない |
あくまで目安であり、症状だけでこれらを見分けるのは難しいとされています。気になるときは検査や受診で確かめることが大切です。
喉が痛いけど熱はないときに考えられるコロナ以外の原因
熱のない喉の痛みは、コロナ以外にもさまざまな原因で起こります。それぞれの特徴と、見分けるヒントを整理します。
風邪(ウイルス性咽頭炎)
熱のない喉の痛みでもっとも多い原因が、ウイルスによる風邪です。
鼻水やくしゃみを伴うことが多く、数日から1週間ほどで軽快するのが一般的です。ただし、コロナも風邪と似た症状で始まることがあるため、症状だけで区別することは難しいと考えられています。
細菌による咽頭炎・扁桃炎
溶連菌などの細菌が原因で、喉や扁桃に炎症が起こることがあります。
喉の奥に白い膿がつく、飲み込むと強く痛む、首のリンパ節が腫れるといった特徴がみられることがあり、抗菌薬による治療が必要になる場合もあります。扁桃炎の治療や薬の種類については、別記事「扁桃炎の薬|抗菌薬が必要なケースと受診の目安・治療の流れ」で解説しています。
インフルエンザ
インフルエンザは急な高熱が特徴とされますが、熱が出ない、または微熱にとどまるケースもあります。
周囲で流行している時期に、喉の痛みとともに強いだるさや関節痛がある場合は注意が必要です。熱がないときのインフルエンザの検査については、別記事「インフルエンザで熱なしだと検査してくれない?理由と受診の伝え方」で解説しています。
乾燥や声の使いすぎ
冬場の暖房や、口呼吸・いびきなどで喉が乾燥すると、粘膜が傷つきやすくなり痛みが出ることがあります。
朝起きたときだけ痛み、水分をとると楽になる場合は、乾燥が関係していることが多いとされています。長時間の会話やカラオケなど、声の使いすぎも喉の痛みや違和感の原因になります。
アレルギー・後鼻漏
花粉やハウスダストなどによるアレルギーでは、喉にも症状が出ることがあります。
また、鼻水が喉のほうへ流れ落ちる後鼻漏(こうびろう)があると、喉のイガイガや違和感、頻繁な咳払いが起こりやすくなります。くしゃみや鼻水、目のかゆみを伴う場合は、アレルギーの可能性も考えられます。
逆流性食道炎
胃酸が食道や喉のほうへ逆流することで、喉の違和感やヒリヒリ感が出ることがあります。
胸やけや、酸っぱいものがこみ上げる感覚(呑酸)を伴い、食後や横になったときに悪化しやすいのが特徴です。喉の症状が長く続き、風邪薬を飲んでも変わらない場合は、こうした原因も考えられます。
熱がない喉の痛みがコロナか確かめる方法
症状だけでは判断が難しいため、コロナかどうかを確かめるには検査が必要です。検査のタイミングと、検査を受ける方法を確認しておきましょう。
検査を受けるタイミング
抗原検査は、一定以上のウイルス量がないと陽性になりにくいとされています。
そのため、症状が出た直後に検査すると、感染していても陰性になることがあります。症状が出てから少し時間をおき、発症当日よりも翌日以降のほうが判定しやすいとされています。
陰性でも喉の痛みなどの症状が続く場合は、日を改めて再検査するか、医療機関に相談することを検討してください。
市販の抗原検査キットを使う場合の注意点
市販の抗原検査キットを使う場合は、国が承認した「体外診断用医薬品」または「第1類医薬品」の表示があるものを選びましょう。
- 「研究用」と表示されたキットは国の承認を受けていないため、使用は避ける
- 第1類医薬品は、薬局・ドラッグストアやインターネット販売で、薬剤師の説明を受けて購入する
- 説明書に沿って、正しい方法で検体を採取する
検査結果が陽性でも陰性でも、症状が強いときやつらいときは医療機関を受診してください。陰性であっても、感染していないとは言い切れない点に注意が必要です。
医療機関で検査を受ける場合
医療機関では、抗原検査やPCR検査などで新型コロナかどうかを調べます。医師が必要と判断した場合の検査は保険診療となり、通常の医療費と同じく自己負担が発生します。
症状や重症化リスクに応じて、医師の判断で抗ウイルス薬の使用が検討されることがあります。5類移行後は抗ウイルス薬も通常の自己負担となり、薬によっては負担額が大きくなることがあります。
医療機関によっては、発熱や喉の痛みがある人の受診方法を分けている場合があります。受診前に電話やWeb予約で症状を伝えておくとスムーズです。
喉が痛いけど熱はないときの過ごし方
熱がないと普段どおりに過ごしたくなりますが、コロナの可能性がある間は、周囲への配慮も大切です。
仕事や外出はどうする?
新型コロナが5類感染症に移行してからは、法律に基づく外出自粛の要請はなく、外出するかどうかは個人の判断に委ねられています。
そのうえで、厚生労働省は発症後5日を経過し、かつ症状が軽快してから24時間程度が経過するまでは、外出を控えることを推奨しています。発症日は0日目として数えます。
また、発症後10日間はウイルスを排出している可能性があるとされ、この期間は次のような配慮が勧められています。
- 不織布マスクを着用する
- 高齢者や持病のある方など、重症化リスクの高い人との接触を控える
- 人混みや大人数での会食を避ける
熱がない場合でも、喉の痛みなどの症状がある間はマスクを着用し、周囲への配慮を続けましょう。出勤については、会社の就業規則や職場のルールに従うことも大切です。
喉の痛みをやわらげるセルフケア
コロナかどうかにかかわらず、喉の負担を減らす工夫は症状をやわらげる助けになります。
- こまめに水分をとる
- 部屋を加湿する(湿度50〜60%が目安)
- うがいをする
- のど飴をなめて喉をうるおす
- 香辛料などの刺激物、喫煙、飲酒を避ける
- 話す量を減らし、声を休める
- 十分な睡眠をとる
痛みがつらいときは、市販の解熱鎮痛薬やトローチなどを使う方法もあります。ただし、持病や飲んでいる薬によって使えない種類もあるため、使用前に薬剤師に相談してください。
これらは症状を楽にするための工夫であり、効果には個人差があります。
熱がなくても受診したほうがよい喉の痛み
熱がない喉の痛みの多くは数日で落ち着いていきますが、熱がなくても受診が必要なケースがあります。
早めに受診したい症状
次のような場合は、早めに医療機関を受診してください。
- 痛みが強く、食事や水分がとりにくい
- 3〜4日たっても改善しない、または悪化している
- 喉の奥に白い膿がついている
- 首が腫れている、押すと痛む
- 声がかれた状態が続いている
- 高齢の方、持病のある方、妊娠中の方
- 家族や職場に陽性者がいる
すぐに医療機関を受診したい症状
次のような症状は、急性喉頭蓋炎や扁桃周囲膿瘍、肺炎など、緊急性の高い病気のサインである可能性があります。
- 唾が飲み込めない、よだれが垂れる
- 口が開けにくい
- 息苦しい、呼吸のたびにゼーゼー・ヒューヒューと音がする
- 声がこもる
- 強い胸の痛みがある
- ぐったりしている
とくに急性喉頭蓋炎は、喉の奥が急に腫れて短時間で呼吸ができなくなるおそれがあるとされています。
息苦しさがある、唾も飲み込めないといった場合は、時間帯にかかわらず救急外来を受診してください。呼吸が苦しく動けないときは、ためらわず救急車を呼びましょう。
喉の痛みは何科を受診すればよい?
喉の痛みは、主に内科または耳鼻咽喉科で相談できます。
- 発熱や咳、だるさなど全身の症状がある場合:内科
- 喉の局所の痛みや声がれが中心の場合:耳鼻咽喉科も選択肢
コロナの検査を希望する場合は、検査に対応しているかを事前に確認しておくと安心です。
東京センタークリニックは、日本橋駅から近い内科・皮膚科などの診療を行うクリニックで、喉の痛みや新型コロナウイルス感染症が心配なときの相談にも対応しています。
まとめ
喉が痛いけど熱はないときのポイントは、次のとおりです。
- 熱がなくても、喉の痛みが新型コロナの症状であることはある
- 発熱より先に喉の痛みが出ることもある
- 風邪、細菌感染、インフルエンザ、乾燥、アレルギー、逆流性食道炎なども原因になる
- 確かめるなら、症状が出て少し時間をおいて検査し、国が承認したキットを使う
- 熱がなくても、症状がある間はマスクを着用し、重症化リスクの高い人との接触を控える
- 唾が飲み込めない、息苦しいときはすぐに医療機関を受診する
喉の痛みが続くときや、コロナかどうか不安なときは、自己判断で様子を見すぎず、早めに医療機関へご相談ください。