最近は男性だけでなく、女性も水虫で悩む方が増えています。
素足でサンダルを履くシーズンになれば、症状だけでなく見た目を気にする方も多いでしょう。
水虫は、適切な治療を行えば完治できる病気です。
この記事では、水虫の原因や、感染する理由、治療法について詳しく解説しています。
水虫を予防する方法もありますので、まだ水虫になっていない方もぜひご参考にしてください。
水虫とは
水虫とは、白癬菌が皮膚に感染する病気です。白癬菌とは、カビの一種です。
皮膚がただれたり、痛みや痒みを伴ったりします。
「水虫は足に発症する病気」と思われている方が多いですが、足だけではなく、体のどこにでも感染する恐れがある病気です。手や頭皮などにもかかる可能性はあり、感染部位によって症状が異なります。
人に移したり移されたりする可能性があるため、水虫に感染した場合は、早めに適切な治療を行いましょう。
水虫の原因
水虫は、白癬菌というカビに皮膚や爪が触れたら感染します。
さまざまな人が裸足で歩く銭湯やプールなどの場所で感染するケースが多いといえます。
また、白癬菌に直接触れるだけでなく、白癬菌に汚染されたものを介して移る可能性もあるのです。水虫を発症している人と同じスリッパやタオルを共有することで、感染するケースもあります。
そして、水虫にかかるのは人間だけではありません。動物にも感染するため、犬や猫などのペットを飼っている方は大事なペットに移してしまう可能性もあります。
水虫は一緒に生活している家族やペットに感染しやすいため、早めに治療したほうがよいでしょう。
水虫に感染するのはなぜ?
水虫の原因である白癬菌は、人の皮膚から剥がれ落ちた角質の中でも生きています。白癬菌が生きている角質を素足で踏んだり、タオルなどを共有したりすることで、皮膚に白癬菌が付着し感染してしまいます。
また、白癬菌は高温多湿の環境を好み、皮膚の表面に汚れが残ったアルカリ性の状態だと繁殖する傾向にあります。
通気性の悪い靴や靴下の長時間の使用や、足に傷がある人は感染しやすくなるため気をつけましょう。
水虫の種類と治療法
水虫の多くは足にできますが、足以外の体の場所に発症することもあります。
主な水虫の種類は以下の6つです。
- 足白癬
- 手白癬
- 爪白癬
- 体部白癬・ぜにたむし
- 頑癬・いんきんたむし
- 頭部白癬・しらくも
それぞれの特徴と症状、治療方法を詳しく解説します。
足白癬・足にできる水虫
足の裏側や足の指の間に症状が現れる水虫のことを足白癬といいます。
足の皮が白くなったり、水疱ができたり、皮がめくれるなどの症状が現れます。
足にできる水虫を足白癬といいますが、さらに以下の3つの種類に細かく分けられます。
- 趾間型
- 小水疱型
- 角質増殖型
趾間型とは、足の指の間に症状が現れるもので、赤くただれたり、皮が白くふやけてめくれたりします。
小水疱型とは、強いかゆみ症状が現れ、土踏まずあたりに水疱ができるのが特徴です。
角質増殖型とは、かかとが乾燥したり、角質が硬くなってヒビ割れ症状が出たりする特徴があります。
治療法は、抗真菌作用がある外用薬を使用します。ただし、塗り薬では十分な効果が得られないと判断した場合、飲み薬による治療を行うこともあります。
基本的に塗り薬による治療を1週間程度行うことで症状は落ち着きますが、完治するためには足の指先から足裏全体まで4週間程度しっかり薬を塗ることが大切です。
手白癬・手にできる水虫
手白癬とは、手に症状が現れる水虫です。足白癬と似たような症状がでますが、足に比べると発症する割合は1割程度の水虫です。
指よりも手のひらに症状が出ることが多く、赤い発疹や皮膚の乾燥などの症状が特徴です。
治療法は、抗真菌作用がある外用薬を使用します。症状が落ち着いてすぐに外用薬の使用をやめてしまうと、再発しやすくなります。1ヶ月程度は外用薬の使用を継続しましょう。
爪白癬・爪にできる水虫
爪白癬とは、爪に症状が現れる水虫です。爪が白くなったり、爪に縦皺ができたりする特徴があります。
治療法は、抗真菌作用がある外用薬や内服薬を使用します。
爪に症状が現れた場合、治療をしても症状が出た部分は元に戻りません。新しく生えてきた爪が健康かどうかで治療結果を確認します。
体部白癬・ぜにたむし
体部白癬は「ぜにたむし」とも呼ばれ、顔、体、腕、足など体に症状が現れる水虫です。かゆみを伴う赤い発疹が特徴です。
動物からうつることもあるため、ペットが体部白癬に感染している場合は早めに治療をしたほうがよいでしょう。
治療法は、抗真菌作用がある外用薬を使用します。1日1回お風呂上がりに塗り薬を塗布し、数ヶ月継続します。ただし、毛が生えている部分の治療である場合は、内服薬を用いることもあります。
頑癬・いんきんたむし
頑癬は「いんきんたむし」とも呼ばれ、鼠蹊部、会陰部、臀部、下腹部に症状が現れる水虫です。左右対照的に症状が出ることもあります。
強いかゆみを伴う円形の赤い発疹が特徴です。
治療法は、抗真菌作用がある外用薬を使用しますが、効果がみられなかったり、重症化したりする場合は内服薬による治療を行うこともあります。
頭部白癬・しらくも
頭部白癬は「しらくも」とも呼ばれ、髪の毛に白癬菌が寄生します。大量のフケや脱毛、感染部位が赤くなるなどの症状がみられます。
治療法は、抗真菌作用がある外用薬と内服薬を組み合わせて行い、4〜8週間程度の治療期間を要します。
水虫の予防法
水虫は白癬菌に触れたらすぐ感染するわけではありません。白癬菌が角質層に入り込むまで24時間以上かかるため、それまでの間に洗い流せば感染を予防できます。
詳しい水虫の予防法は以下でまとめています。
清潔に保つ
水虫は白癬菌に感染することが原因で発症しますが、白癬菌に触れてから24時間以内に洗い流せば予防が可能です。
足の指の間から爪先までていねいに洗い、清潔に保つようにしましょう。
基本的には24時間以内に洗い流すことで感染を防げますが、足に傷やヒビ割れなどがあると12時間程度で感染してしまうケースもあります。
日頃から手入れをして傷やヒビ割れを起こさないよう気を付けることも大切です。
素足で利用する施設では気をつける
不特定多数の人が素足で利用する施設は、感染のリスクが高まります。
不特定多数の人が素足で共有するスリッパやマットなどの使用を避けるとよいでしょう。もし使用した場合は、使用後に足を十分に洗いましょう。足が湿っていると白癬菌が繁殖してしまう原因となるため、足を乾燥させることが大切です。
水虫に関するよくある質問
水虫に関するよくある質問を以下でまとめています。
水虫でお悩みの方はぜひご参考にしてください。
水虫は市販薬で治るの?
水虫の市販薬も販売されているため、市販薬で治療は可能です。
ただし、水虫の症状は発症部位によっても異なり、個人差もあるため、自己判断での診断が難しいものです。水虫ではなくただの湿疹であるケースもあります。
適切な診断と治療を受けるためには、病院を受診して診察を受けたほうがよいでしょう。
水虫は再発するの?
水虫は治る病気ですが、完治しても再度感染する可能性はあります。
また、症状が落ち着いたからと自己判断で薬の使用を中断し、再発を繰り返している方が多くいらっしゃいます。表面上は治っていても角質層の奥深国白癬菌が残っていれば、再発します。
そのため、医師に指示された期間、薬の使用を継続することが大切です。