中学生の時期は身長がぐんと伸びる「成長スパート期」です。でも伸びが止まったように感じると不安になります。そんなときは、平均身長のデータをもとに、中学生の平均的な身長の伸び方や、成長の見極め方、セルフチェック方法、受診の目安を確認してみましょう。
実は、身長の伸びには「努力で伸ばせる要素」がたくさんあります。ストレッチや食事、睡眠の取り方を工夫すれば、成長期のチャンスをしっかり活かすことができるのです。毎日の積み重ねが、将来の身長の伸びにつながります。
中学生の身長の平均を知る「男女別・学年別平均身長」

日本の中学生の平均身長は、学校保健統計調査によると、以下のとおりです。
男子は中学1〜2年で年間7cmほどの伸びがあり、一方、女子はすでに小学校高学年で成長のピークを迎えており、中学に入るころには伸びがやや落ち着く傾向にあります。
| 学年(年齢) | 中学校1年(12歳) | 中学校2年(13歳) | 中学校3年(14歳) |
| 男子平均身長 (cm) | 154.0 | 161.1 | 166.1 |
| 女子平均身長 (cm) | 152.3 | 155.0 | 156.4 |
出典: 学校保健統計調査 令和6年度
中学生の男子と女子の成長パターンの違い
男子と女子の身長の伸びには、成長開始の時期と成長の持続期間に違いがあります。女子は男子よりも早く思春期に入り身長の伸びが始まる一方で、男子は女子よりも思春期が長く、最終的な身長は男子の方が高くなる傾向があります。
一般的に女子は男子よりも約2年早く思春期に入り、成長スパートも早く訪れます。そのため中学1年の時点では男女の差は2cm未満ですが、1年ごとに男女差が大きく開いていきます。
個人差がある「身長の伸び」
身長の伸びには遺伝的要素が大きく関わります。身長は 多因子形質の中でも遺伝的影響が強く、両親の身長に似る傾向があります。一方、栄養・睡眠・運動・ホルモンバランスといった環境要因も重要です。特に中学生の時期の生活習慣は、最終身長を左右する大切な時期となります。
「中学生の間に身長がどれくらい伸びるか」個人差がある理由
中学生の成長期には、身長の伸びる時期や速さ、精神的な発達に大きな個人差があります。中学生の成長期に個人差がある主な理由は、遺伝的要因と、成長ホルモンの分泌量や生活習慣、環境的要因が複雑に絡み合っているためです。
身長の伸び方は「遺伝」「栄養」「睡眠」「運動」の4つが大きく関係しています。遺伝の影響はあるものの、生活習慣の差で成長の勢いは変わります。夜ふかしや偏った食事が続くと、せっかくの成長ホルモンが十分に働けません。逆に、生活リズムを整えることで、自分の成長力をしっかり引き出すことができます。
成長スパート期とは?中学生の身長が最も伸びる時期

多くの中学生は、急激に身長を伸ばす成長スパート期にあたります。この時期は、体の発達が著しく、身長だけでなく筋力や体重も大きく変化します。中学生の身長の平均値をみると、特に男子は中学生期間に身長が10cm以上伸びることが分かります。ただし、それはあくまで平均のことで、すべての中学生が同じペースで成長するわけではなく、その差にはさまざまな要因が関係しています。
また、身長が大きく伸びるだけでなく、体重増加や二次性徴も現れます。身長を伸ばすためには、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠が重要です。
身長の平均データでは、女子は10〜12歳、男子は12〜14歳が成長のピーク
女子は10〜12歳ごろに成長のピークを迎え、1年間で7〜9cmほど伸びることが多いです。男子は少し遅れて12〜14歳にピークを迎え、年間7cm前後の伸びを示します。
この時期を過ぎると伸び率は徐々に低下し、最終的に女子は初潮から1〜2年後、男子は声変わりから数年後に成長が止まるといわれています。
学校の健康診断で「去年よりどれくらい伸びたか」を確認しておくと、自分の成長スピードを把握できます。もし1年間であまり変化がない場合や、周囲より明らかに伸びが遅い場合は、生活習慣や睡眠リズムの見直しをする良いタイミングです。
成長スパートを逃さないために意識したいこと
中学生のこの時期は骨の成長スピードが速いため、栄養や睡眠の不足が成長の妨げになることもあります。就寝時間を一定に保ち、バランスの取れた食事と運動を意識することが、自然な成長を支えるポイントです。
成長曲線で見る中学生の平均身長「正常範囲」と「注意サイン」

成長曲線は、男子は15〜17歳頃、女子は13〜15歳頃に身長の伸びが落ち着き始めることを示します。男子の身長が著しく伸びる時期は中学生ごろということが分かります。成長曲線は、中学生の期間だけでなく、生涯にわたる成長の特性や栄養状態、低身長・高身長などの異常を把握するために利用されます。
中学生の平均身長を知るための成長曲線とは?見方と基準
成長曲線とは、年齢ごとの平均身長・体重の標準的な分布グラフであり、身長や体重を記録することで、発育状態や成長の速度を視覚的に把握するためのものです。
中央の50パーセンタイルが平均的な成長であり、3〜97パーセンタイルの範囲内であれば概ね正常とされます。一般的に、性別・月齢別に作られ、グラフ上の標準範囲を外れていないか、また横ばいや急激な変化がないかなどを確認することで、低身長や肥満などの異常、病気の早期発見につながります。

年間の伸びが4cm未満?停滞が見られる場合の注意
成長曲線で年齢に比べて曲線が下がる、または伸びがフラットになる場合は、成長の停滞を示す可能性があります。特に1年間で4cm未満しか伸びていない場合は注意が必要です。
平均より身長が低いと低身長か?疑われるときのチェックポイント

平均身長より低くても、成長曲線に沿って着実に伸びているなら心配いりません。重要なのは高さよりも伸びのペースです。曲線の傾きが鈍化している場合に医療的評価が求められます。
−2SD以下とは?成長障害の判断基準
身長が平均値より2標準偏差(SD)以上低い、つまり下位約2〜3%にあたる場合、「低身長」と診断されることがあります。単なる個人差か、成長ホルモンの分泌やホルモンバランスの問題かを見極めることが大切です。
家族の平均身長から予測する「両親身長補正式」
遺伝的な到達身長は「父母の平均身長」からある程度予測できます。
男子=(父の身長+母の身長+13)÷2
女子=(父の身長+母の身長−13)÷2
この目安より著しく低い場合は、成長障害の可能性を考慮します。
ホルモン・甲状腺・慢性疾患による影響
成長ホルモン分泌不全症、甲状腺機能低下症、栄養吸収障害、慢性腎疾患などの疾患が原因で成長が遅れるケースもあります。自己判断で放置せず、小児科や小児成長外来での専門医の診断を仰ぎましょう。
中学生でも遅くない?思春期の成長も対象「小児成長外来」

小児成長外来は、低身長など成長に関する悩みや内分泌疾患(ホルモンの異常など)を専門に扱う診療科です。「小児成長外来」や「小児内分泌科」というと、小学生以下の子どもが通う印象を持たれる方も多いでしょう。しかし、実際には中学生の成長相談も多く、むしろこの時期だからこそ受診の価値があるといえます。なぜなら、男子では中学3年ごろ、女子では中学2年ごろまで骨端線(成長板)が閉じておらず、まだ成長できる可能性が残っているからです。
今の成長ペースや骨の成熟度を客観的に把握することで、あとどれくらい伸びるかを見極めることができます。中学生の時期は、将来の身長を左右する試みの最後のチャンスです。心配なときは、医師に相談してみることが、可能性を広げる第一歩です。
受診でわかること「あとどのくらい身長は伸びる?」を科学的に評価
小児成長外来の診察では、成長曲線や骨年齢(手のレントゲン)から、骨端線がどの程度閉じているかを確認します。同時に血液検査で成長ホルモンや甲状腺ホルモン、鉄・亜鉛などの成長関連指標を調べ、伸び悩みの要因を多角的に評価します。
これにより、以下のことを科学的に把握することができます。
- 今の成長ペースが順調か
- 成長が止まりつつあるのか
- 生活習慣を改善すればまだ伸びる余地があるのか
中学生も受診することで、現在、成長のどの段階にいるかを見極め、適切な対応を取ることが可能です。
中学生の成長ホルモン治療
成長ホルモン治療は、主に「成長ホルモン分泌不全症」や「特発性低身長」などが原因で、著しく背が低いお子さんを対象としています。骨端線が閉じる前であれば中学生でも適応となるケースがあります。
治療が必要かどうかは、成長ホルモン分泌量・骨年齢・現在の身長の標準偏差(SD値)などを総合的に評価して判断されます。医師の診断により「成長ホルモン治療の適応はない」とされた場合、生活習慣や栄養面でのアドバイスを受けるだけでも、今後の身長の伸びをサポートできます。
中学生でもまだ身長は伸びる?セルフチェックリスト
身長の伸びが最近停滞している気がする、まだ伸びるのかな?と感じたとき、まずは次の項目をチェックしてみましょう。複数当てはまる場合は、まだ成長期が続いている可能性があります。このチェックリストはあくまで目安ですが、いくつか当てはまるようなら、成長外来で骨年齢や成長曲線を確認してみる価値があります。成長ホルモン治療の必要がなくても、「あとどれくらい伸びそうか」「生活習慣でできるサポートはあるか」などを医師と一緒に科学的に見極めることができます。
| チェック項目 | 確認ポイント |
| ☑1年間で3cm以上伸びている | 成長スパート中または直後の可能性がある |
| ☑声変わりや初潮がごく最近だった | 思春期の成長期が続いているサイン |
| ☑手足が急に長くなったように感じる | 骨の成長が活発になっている証拠 |
| ☑睡眠不足や食欲低下が続いている | 成長ホルモン分泌が一時的に抑えられている可能性がある |
| ☑同年代の平均身長より5cm以上低い | 成長ホルモン分泌や遺伝的要因の評価対象 |
自分でできる中学生が身長を10cm伸ばす方法とは?

クラス替えで背の順が気になったり、部活でのポジションを考えると「あと10cmくらい身長が伸びたらなぁ」と思ったりすることもあるでしょう。実際に中学生の間はまだ身長がぐんと伸びるチャンスがある時期です。中学生生活の中で、生活リズムや体の使い方を意識することで、身長が伸びる力を最大限に引き出すことがポイントです。
身長が10cm伸びるのは夢じゃない?成長のカギは「生活のバランス」
身長が伸びるかどうかは、主に「骨端線(こったんせん)」と呼ばれる骨の成長部分が関係しています。骨端線(成長軟骨)が残っていれば、今後も身長が伸びる可能性がありますが、閉じてしまっている場合は、身長が伸びることはなくなります。この骨端線が閉じる前の中学生のうちは生活習慣を見直すことで、あと数センチ〜10cm程度伸びる可能性があるのです。
身長アップの基本は以下の3本柱をバランスよく整えた生活を維持していくことです。
☑栄養バランスのとれた食事で「成長の材料」をしっかりとる
☑適度な運動とストレッチで「姿勢」と「血流」を整える
☑質の良い夜の睡眠で「成長ホルモン」を十分に出す
勉強やスマホの時間が多い人ほど注意したい生活リズム
最近では、夜遅くまで勉強したり、スマホでSNSや動画を見たりして寝る時間が遅くなる中学生も増えています。けれど、身長を伸ばすうえで睡眠は最も重要な時間です。成長ホルモンは、眠り始めてから約1〜2時間後の「深い眠り(ノンレム睡眠)」の間に多く分泌されます。この時間を逃してしまうと、せっかくの身長を伸ばすチャンスを無駄にしてしまうのです。
夜はできるだけ22時前後には就寝し、スマホやタブレットは寝る30分前には手放すのが身長を伸ばすのに理想的な生活リズムです。寝る前のストレッチや読書など、リラックスできる習慣を取り入れるのもおすすめです。
毎日のストレッチと運動で身長を伸ばす
「背を伸ばしたいならストレッチがいい」と聞いたことがある人も多いでしょう。実際、ストレッチや軽い運動は体を伸びやすく整える土台をつくることに役立ちます。学校生活の中でも、少し意識を変えるだけで背筋がスッと伸び、見た目の印象も大きく変わるものです。
中学生は、急に身長が伸び始めると筋肉のバランスが崩れ、姿勢が悪くなりがちです。猫背や前かがみの姿勢が続くと、実際の身長よりも低く見えてしまうことがあります。毎日のストレッチで筋肉をほぐし、体を正しく使うことで、「伸びる体の姿勢」を保つことが大切です。
部活の前後におすすめ!身長を伸ばすストレッチ
部活動をしている中学生にとって、ウォーミングアップとクールダウンの時間は身長を伸ばす絶好のチャンスでもあります。運動の前後にストレッチを行うことで、血流が良くなり、栄養や酸素が体のすみずみに行き渡ります。これが骨や筋肉の発達をサポートし、結果的に成長しやすい状態を作るのです。
おすすめは次のような簡単なストレッチです。特別な器具や広い場所がなくても、家の壁や学校の廊下でも実践可能です。大切なのは「毎日続けること」で、ほんの数分でも、継続が結果を変えます。
| 運動方法 | 説明 |
| ぶら下がり運動 | 鉄棒に両手でつかまって30秒キープ。背骨を伸ばし、姿勢を整える。 |
| 背伸びストレッチ | 両手を頭上に伸ばして大きく深呼吸。体側(たいそく)を意識して引き上げる。 |
| ジャンプ運動 | バスケットボールや縄跳びのような縦方向の動きで骨への刺激を与える。 |
授業の間にもできる「姿勢リセット」ストレッチ
授業や自習で長時間イスに座ると、自然と背中が丸まりがちです。その姿勢のまま成長期を過ごすと、背骨の柔軟性が落ち、見た目の印象も低くなってしまいます。そのようなときにおすすめなのが、「姿勢リセット」ストレッチです。
休み時間にも取り入れられる簡単な方法です。毎日5分ほど行うだけで、姿勢の癖がリセットされ、見た目の身長も高く見えるようになります。背筋が伸びると、勉強中の集中力も上がりやすくなります。
| 運動方法 | 説明 |
| 肩回し運動 | 大きな円を描くように肩を前後に回し、肩甲骨を動かす。 |
| キャット&カウポーズ | 四つん這いで背中を丸めたり反らせたりして、背骨をやわらかく保つ。 |
| 壁立ちチェック | 壁に背中・お尻・かかとをつけ、自然に立てる姿勢を体に覚えさせる。 |
中学生の成長を妨げるNG運動とは?
運動は成長を促す大切な要素ですが、やり方によっては成長の妨げになることもあります。
たとえば、過度な筋トレや重すぎるダンベルを使ったトレーニングは、骨端線(こったんせん)に強い負担をかけてしまうことがあります。骨端線は骨の成長を担う非常にデリケートな部分なので、無理な圧力をかけるのは避けましょう。
また、部活動でハードな練習を続けている人は、「休む」こともトレーニングの一部と考えてください。疲れがたまった状態では、成長ホルモンの分泌が下がってしまうこともあります。
週に1〜2日は体を休め、栄養と睡眠でしっかり回復することが、長期的には背を伸ばす近道です。
中学生の身長が伸びる食べ物と栄養の工夫

「牛乳を飲めば背が伸びる!」という話を聞いたことがある人も多いでしょう。確かにカルシウムは骨を丈夫にする栄養素ですが、実はカルシウムだけでは身長は伸びません。
中学生の成長期には、骨や筋肉をつくるための「たんぱく質」や「亜鉛」、「ビタミンD」など、さまざまな栄養素をバランスよくとることが大切です。部活や勉強で忙しい毎日の中でも、ちょっとした工夫で伸びやすい食生活を実現することができます。
中学生が意識したい身長を伸ばす栄養素とは
中学生の身長を伸ばすには、骨の成長と筋肉の発達を助ける栄養をしっかりとることがポイントです。いつもの食事+少し意識するだけでも、体はぐんと変わっていきます。
☑たんぱく質:骨や筋肉のもとになる。肉・魚・卵・大豆製品を毎食に。
☑カルシウム:骨を強くする。牛乳・チーズ・小魚・小松菜など。
☑ビタミンD:カルシウムの吸収を助ける。鮭・きのこ類・日光浴も重要。
☑亜鉛:成長ホルモンの分泌をサポート。牡蠣・レバー・納豆などに多く含まれる。
身長を伸ばす牛乳やヨーグルトは「いつ飲むか」
カルシウムを効率よく吸収するには、タイミングも大切です。おすすめは、運動後や寝る前のタイミングです。運動で一度骨に負担をかけたあとにカルシウムを補給すると、骨が強くなる刺激を受けやすくなります。
また、寝る前に温かいミルクやヨーグルトを摂ることで、心身がリラックスし、成長ホルモンの分泌を助ける質の良い眠りにつながります。
分食スタイルは塾や部活の日も続けやすい「成長期の中学生のための食習慣」
塾や部活で帰りが遅くなると、つい夕食が不規則になりがちです。そのようなときは、以下のような「分食スタイル」がおすすめです。
分食スタイル例
- 放課後におにぎり+牛乳でエネルギー補給
- 帰宅後に魚や豆腐の主菜中心の軽めの夕食
- 寝る1時間前に温かいミルクやバナナでリラックス
食事を小分けにすることで、胃腸への負担を減らし、栄養を吸収しやすくします。とくに中学生の男子では1日3,000kcal近く必要なこともあるため、「食べられない時間をどう埋めるか」が成長を左右します。一方で、スナック菓子やジュースの摂りすぎはNGです。糖分が多いと、カルシウムの吸収を妨げてしまうことがあります。おいしくてバランスのよい食事を意識して、体に優しい食生活を心がけましょう。
身長を伸ばすよい睡眠と生活習慣が成長ホルモンを左右する

「夜更かししていると背が伸びにくい」のは単なる迷信ではなく、科学的な理由があります。身長を伸ばすカギとなる成長ホルモンは、夜眠っている間、特に「深い眠り(ノンレム睡眠)」のときに多く分泌されます。部活や塾、勉強、スマホなどで中学生にとっては夜更かししがちな時間帯ですが、実は22時〜翌2時ごろが成長ホルモンのゴールデンタイムです。
この時間帯に深い眠りをとることで、成長ホルモンがしっかり働き、中学生の身長の伸びを後押しします。
高身長を阻む?中学生の夜更かしとスマホ
塾や宿題、テスト勉強で夜遅くまで起きている日もあるでしょう。そんな日は、「眠る時間を減らす」のではなく、「眠る前の過ごし方を工夫する」ことが大切です。
以下の点に気をつけるだけで、眠りの深さが変わり、翌朝の目覚めもスッキリします。睡眠の質が上がると、集中力もアップし、結果的に勉強や部活のパフォーマンスも上がるという好循環が生まれます。
☑寝る直前までスマホを見るのをやめ、ベッドでは考えごとをしない
☑勉強は21時ごろまでに区切りをつけて、寝る前30分は脳を休ませる時間にする
☑SNSの通知をオフにして、気になることを寝床に持ち込まない
身長を伸ばすために大切な「中学生の生活リズム」

身長を伸ばすには、食事や睡眠だけでなく、1日の生活リズム全体のバランスが大きく関係します。実は、朝・昼・夜の過ごし方次第で、体のホルモン分泌やエネルギーの使われ方が変わるのです。中学生は、成長期のまっただ中です。部活動や塾、宿題などで忙しくても、「ちょっとした時間の使い方」を意識することで、身長が「伸びやすいモード」に整っていきます。
朝は「成長スイッチ」を入れる時間
寝ている間に分泌された成長ホルモンが、朝の活動によってしっかり体に使われるためには、朝のリズムづくりが欠かせません。以下のように「朝の3ステップ」を意識するだけで、1日の体調が安定し、成長ホルモンの働きもスムーズになります。 朝食を抜くと体が“省エネモード”になり、栄養が成長よりも体温維持などに使われてしまうこともあるので、 忙しい朝でも、簡単な組み合わせでよいので朝食は摂るようにしましょう。
- 朝日を浴びることで体内時計をリセット
- 朝食をとることで体と脳にエネルギーをチャージ
- 通学中に軽く歩く・階段を使うことで血流をアップ
昼はエネルギー補給と姿勢キープを意識
昼は授業や部活動などで体をよく動かす時間帯です。エネルギーを消耗するぶん、昼食のとり方が大切になります。給食やお弁当では、主食・主菜・副菜をバランスよく食べましょう。特に部活をしている人は、たんぱく質を意識的にとることを心がけてください。
午後の授業や放課後の練習を元気に乗り切るためにも、炭水化物(ごはん・パン)+たんぱく質(肉・魚・豆)+野菜のセットが理想的です。また、長時間座りっぱなしの授業では、姿勢が崩れやすくなります。
お昼休みに軽く背伸びや肩回しをするだけでも、血流が良くなり、集中力アップ&姿勢改善の効果があります。昼のリフレッシュは、見た目の印象を変える大事な成長習慣です。
夜は成長ホルモンが活発に働く時間
身長を伸ばすためには、眠る2〜3時間前から体をリラックスモードに切り替えることが大切です。具体的な方法としては、次の3つのポイントを抑えましょう。
これらを意識することで、眠りの質が高まり、成長ホルモンの分泌も促されます。
明日の自分を少しでも伸ばすために、夜は体を休ませる時間に切り替えましょう。
- 寝る直前のスマホや勉強を控える
- 部活後は軽いストレッチで筋肉をゆるめる
- 湯船にしっかり浸かって体温を整える
「中学生の身長」に関するよくある質問
Q.中学生になっても身長は伸びますか?
男子は中学3年ごろまで、女子は中1〜中2ごろまでが主な伸び期です。個人差はありますが、骨端線が閉じる前であればまだ成長の余地があります。
Q.遺伝で身長は決まるって本当ですか?
遺伝は最終身長に大きく関わりますが、栄養や睡眠、運動など環境要因でも成長をサポートできます。特に思春期の生活習慣は重要です。
Q.平均より低いですが、中学生でも受診すべきですか?
年間の伸びが4cm未満、あるいは成長曲線の傾きが平らになっている場合は、早めに相談をおすすめします。チェックリストで複数項目に当てはまる場合も目安になります。
Q.中学生から始める成長ホルモン治療でどのくらい身長が伸びますか?
効果には個人差がありますが、年間平均で4〜6cm程度の伸びが期待できると報告されています。
骨端線がまだ十分に開いている場合は、それ以上の伸びを示すこともあります。ただし、開始年齢や治療前の身長、ホルモン分泌量、思春期の進行度によっても結果は異なります。
治療によって急激に伸びるというより、本来の成長ポテンシャルを最大限に引き出すことを目的としています。
Q. サプリメントで背は伸びますか?
サプリメントだけで身長が大きく伸びるという確かな根拠はありません。具体的に、サプリをどれだけ摂ったらどれだけ身長が伸びるかの直接的な影響は分かっていません。中学生の身長の伸びには、成長ホルモンの分泌や骨の発育など、体の仕組みが関わっています。これらを助ける栄養は食事からとるのが基本です。そのため、食事で不足しやすいカルシウムや亜鉛、ビタミンDなどを補う目的でサプリを使うのは問題ありません。ただし、摂りすぎると体に負担になることもあるため、使うときは医師や保護者と相談するようにしましょう。
Q. 太りたくないので身長だけ伸ばすことはできますか?
身長だけを伸ばして体重を増やさないことは、基本的には難しいです。成長期に身長が伸びるとき、体も一緒に成長するため、筋肉や骨をつくるための体重増加は自然なことです。
ただし、「脂肪で太る」ことと「成長で体が大きくなる」ことは別です。バランスのよい食事と適度な運動を続ければ、余分な脂肪をためずに、健康的に身長を伸ばすことができます。体重を気にしすぎず、成長に必要な栄養をしっかりとりましょう。
Q. 姿勢が悪いと身長が伸びにくくなりますか?
猫背などの悪い姿勢は、背骨や筋肉のバランスをくずし、見た目にも実際より身長が低く見えることがあります。正しい姿勢を意識することで、体の成長がスムーズになり、身長を最大限に生かせます。
まとめ
中学生の時期は、身長がぐんと伸びる大切な時期です。身長の伸び方には個人差がありますが、生活リズムを整え、しっかり眠り、栄養をバランスよくとることで、成長の力を引き出すことができます。
部活や勉強で忙しくても、朝の習慣や夜の睡眠、簡単なストレッチを毎日の生活に取り入れるだけで、背を伸ばす土台を作れます。それでも伸び悩む場合は、小児成長外来で専門的にチェックするのもおすすめです。今できる工夫を少しずつ続けることが、将来の身長につながります。
