急に体がかゆくなって赤く盛り上がり、皮膚科と内科のどちらに行けばよいか迷っていませんか。
蕁麻疹の受診先は皮膚科が基本で、発熱など全身の症状を伴う場合は内科、子どもは小児科も相談先になります。
「すぐ消えるから」と様子を見続けると、繰り返す蕁麻疹が長引いたり、息苦しさなど急いで対応すべき症状を見逃したりするおそれがあります。
この記事では、症状別の受診先、救急を考えたい危険なサイン、病院に行く目安、受診時に伝えること、受診までのセルフケアを解説します。
受診先を決める手がかりにしてください。
蕁麻疹が出たら何科に行くか、基本は皮膚科
突然のかゆみや発疹が出ると、どこに相談すればよいのか迷ってしまうものです。
蕁麻疹が出たときに、まず受診先として考えたいのは皮膚科です。皮膚の状態を直接見て判断することが、診療の出発点になるためです。
蕁麻疹の特徴をかんたんに確認
蕁麻疹は、皮膚の一部が赤く盛り上がり(膨疹)、強いかゆみを伴うのが特徴です。
多くの場合、1つひとつの発疹は数十分から数時間ほど続き、24時間以内に跡を残さず消えるとされています。
- 場所を変えながら出たり消えたりを繰り返す
- かゆみが強いことが多い
- 消えたあとに跡が残りにくい
一方で、1つの発疹が24時間以上消えない場合や、あざのような跡が残る場合は、蕁麻疹とは別の皮膚の病気が隠れていることもあります。こうした様子は受診時に伝えてください。
皮膚科が第一の受診先とされる理由
皮膚科は、皮膚に出る症状の診断と治療を専門に扱う診療科です。
赤い発疹やかゆみは、蕁麻疹だけでなく、湿疹や虫刺され、かぶれ(接触皮膚炎)などでも起こります。見た目が似ていても、病気によって対処の仕方は異なります。
そのため、まず皮膚を診てもらい、蕁麻疹かどうかの診断をつけることが大切です。診断がつけば、その後の治療方針や、他の診療科での確認が必要かどうかも判断しやすくなります。
迷ったときは、まず皮膚科を受診先の候補にするとよいでしょう。
蕁麻疹は内科と皮膚科どっちに行くべきか、症状別の受診先
蕁麻疹で内科と皮膚科のどっちに行くべきかは、皮膚以外の症状があるかどうか、そして年齢によって考えると整理しやすくなります。
主な目安を次の表にまとめました。
| 症状・状態 | 相談しやすい診療科 | ポイント |
|---|---|---|
| 皮膚のかゆみ・膨らみだけ | 皮膚科 | 皮膚の状態から診断をつけやすい |
| 発熱、のどの痛み、だるさを伴う | 内科 | 全身の状態をあわせて確認できる |
| 特定の食べ物や薬のあとに出た | 皮膚科・アレルギー科 | 原因との関係を相談できる |
| 子どもに出た | 小児科・皮膚科 | 全身状態もあわせて診てもらえる |
| 息苦しさ、のどの違和感、腹痛や嘔吐、ぐったりする | 救急(119番) | 診療科選びより救急受診を優先 |
あくまで目安であり、どの診療科でも必要に応じて他の科へ紹介されることがあります。
皮膚の症状だけなら皮膚科
かゆみや膨らみなど、症状が皮膚だけにとどまっている場合は、皮膚科で診断と治療を受けられることが多いです。
発疹の形や出方、経過を確認し、蕁麻疹のタイプや他の皮膚の病気との違いを見極めてもらえます。
発熱や全身の不調を伴うなら内科
蕁麻疹は、風邪などの感染症をきっかけに出ることがあるとされています。
発熱やのどの痛み、せき、だるさなど全身の症状を伴う場合は、内科で体全体の状態をあわせて診てもらうと安心です。
加えて、持病の治療中の方や、ふだんから飲んでいる薬がある方は、薬との関係も含めて相談しやすいでしょう。内科でも、かゆみを抑える抗ヒスタミン薬の処方など、蕁麻疹への対応ができる場合があります。
食べ物や薬との関係が気になるならアレルギー科
特定の食べ物を食べたあとや、薬を飲んだあとに蕁麻疹が出た場合は、アレルギー科も相談先の選択肢になります。
原因との関係を確認したいときに、問診や必要な検査を通して相談できます。なお、皮膚科でもアレルギーの関わる蕁麻疹は診療の対象です。近くにアレルギー科がない場合は、皮膚科や内科に相談してかまいません。
子どもの蕁麻疹は小児科
子どもに蕁麻疹が出た場合は、かかりつけの小児科に相談すると、発熱や機嫌、食欲など全身の様子もあわせて診てもらえます。
皮膚の症状が中心であれば、皮膚科を受診することもできます。
皮膚科と内科の両方の視点が必要になる場合
蕁麻疹が6週間以上続く慢性蕁麻疹になった場合や、治療を続けても症状が落ち着かない場合には、皮膚科と内科の両方の視点が役立つことがあります。
実は、慢性蕁麻疹の一部では、甲状腺の病気など内科的な病気が関わっていることもあるとされています。そのため、必要に応じて血液検査などで体の状態を確認することがあります。
皮膚科から内科へ紹介される流れや、総合病院のように複数の科が院内で連携しやすい環境もあります。また、ストレスとの関わりが強く、気分の不調も続く場合には、心療内科など他の診療科と連携して対応するケースもあります。
東京センタークリニックは、日本橋駅から近い内科・皮膚科などの診療を行うクリニックで、蕁麻疹の相談にも対応しています。
蕁麻疹で何科か迷う前に救急を考えたい危険なサイン
蕁麻疹の多くは皮膚の症状だけで落ち着いていきますが、なかには急いで対応が必要なケースもあります。
皮膚以外の症状を伴う場合は、何科に行くかを考えるよりも救急受診を優先してください。
アナフィラキシーが疑われる症状
蕁麻疹と同時に、次のような症状が出ていないか確認しましょう。
- 息苦しい、ゼーゼー・ヒューヒューする
- のどが詰まる感じ、声がかすれる、飲み込みにくい
- 唇や舌、瞼、顔が急に大きく腫れる(のどの違和感や息苦しさを伴うときはとくに注意)
- 腹痛、吐き気、嘔吐、下痢
- ぐったりする、意識がぼんやりする
- 冷や汗が出る、顔色が悪い
皮膚の症状に加えて、呼吸やおなか、意識などの症状が同時に出る場合は、アナフィラキシーという重いアレルギー反応の可能性があります。ためらわず119番に連絡してください。
とくに、食べ物を食べた直後や薬を飲んだあと、運動中に症状が出た場合は注意が必要です。
医師から自己注射薬(アドレナリン製剤)を処方されている方は、指示に従って使用し、あわせて救急要請をしてください。
救急車を呼ぶか迷ったときの相談先
救急車を呼ぶべきか判断に迷うときは、救急安心センター事業(#7119)に相談する方法があります。東京都など実施している地域では、電話で救急車を呼ぶべきか、すぐに受診したほうがよいかなどの助言を受けられます。
実施していない地域もあるため、お住まいの自治体の窓口を事前に確認しておくと安心です。
ただし、呼吸が苦しい、意識がおかしいといった症状がある場合は、迷わず119番に連絡してください。
大人の蕁麻疹で病院に行く目安
危険なサインがない場合でも、「病院に行くほどではないかも」と迷う方は多いのではないでしょうか。
大人の蕁麻疹で病院に行く目安は、症状が続くか、繰り返すか、生活に支障があるかを基準に考えると判断しやすくなります。
早めに受診を検討したいケース
次のような場合は、早めに病院を受診しましょう。
- 数日たっても出たり消えたりが続いている
- 何度も繰り返し蕁麻疹が出る
- かゆみで眠れない、仕事や家事に集中できない
- 体の広い範囲に出ている
- 1つの発疹が24時間以上消えない、跡が残る
- 市販薬を使っても落ち着かない
- 新しく飲み始めた薬のあとに出た
蕁麻疹は、症状が出始めてから6週間以内のものを急性、6週間以上続くものを慢性と分けるのが一般的です。長引くほど日常生活への影響も大きくなりやすいため、早めに相談することが大切になります。
様子を見ながら経過を確認できるケース
一方で、汗をかいたあとなど原因に心当たりがあり、範囲が狭く、数時間ほどで消えて全身の症状もない場合は、経過を見るという選択肢もあります。
とはいえ、同じような症状が繰り返す場合や、原因がはっきりせず不安が残る場合は、受診して相談してかまいません。「この程度で受診してよいのか」とためらう必要はありません。
蕁麻疹で通う病院を選ぶポイント
蕁麻疹は、症状が落ち着くまでしばらく通院が続くことがあります。とくに慢性蕁麻疹では、薬を続けながら経過を見ていくことが多いため、無理なく通い続けられるかどうかも大切な視点です。
病院を選ぶときは、次のような点を確認してみてください。
- 皮膚の診察に慣れた医師がいるか(皮膚科専門医など)
- 全身の症状があるときに内科の相談もできるか
- 職場や自宅の近くなど、通いやすい立地か
- 診療時間が生活のリズムに合っているか
- 仕事などで通院が難しい時期に、相談できる方法があるか
症状が落ち着いたあとの継続処方では、オンライン診療を選択肢の一つとして検討する方法もあります。ただし、オンライン診療は皮膚の状態を直接見られないため、実施の有無や初診の扱い、対応できる範囲は医療機関ごとに確認が必要です。
蕁麻疹で病院を受診したときの流れ
「病院に行ったら何をされるのだろう」と不安に感じる方もいるかもしれません。
蕁麻疹の診療は、問診と視診が中心です。必ずしも多くの検査を行うわけではありません。
問診と視診で確認されること
医師は、皮膚の状態を見ながら、次のようなことを確認します。
- 症状が出始めた時期と、出やすい時間帯
- 1つの発疹が続く時間
- 出る前に食べたもの、飲んだ薬
- 運動や入浴、汗、温度差などのきっかけ
- 持病やアレルギーの有無
こうした情報から、蕁麻疹のタイプや考えられるきっかけを整理していきます。
必要に応じて行われる検査と治療
食べ物や薬など特定の原因が疑われる場合には、血液検査や皮膚テストなどが検討されることがあります。
ただし、蕁麻疹は原因が特定できないことも少なくありません。原因がはっきりしなくても、症状を抑えながら経過を見ていくことができます。
治療は、かゆみや膨らみを抑える抗ヒスタミン薬の内服が中心とされています。薬の種類や量は、症状や生活への影響をふまえて医師が判断します。
蕁麻疹の受診前に準備しておきたいこと
蕁麻疹は出たり消えたりするため、受診したときには症状が消えていることも珍しくありません。
診察をスムーズに進めるためにも、事前に情報を整理しておくと役立ちます。
医師に伝えるとよい情報
受診前に、次のような内容をメモしておきましょう。
- いつから、何時ごろに出たか
- 1回の発疹がどのくらいで消えたか
- 出る前に食べたもの・飲んだもの
- 服用中の薬やサプリメント
- 運動、入浴、汗をかいたなど、出る直前の状況
- 発熱や腹痛など、皮膚以外の症状
- 過去の蕁麻疹やアレルギーの経験
加えて、症状が出た日の生活を記録しておくと、きっかけを探る手がかりになります。
症状が消える前に写真を撮っておく
蕁麻疹が出ているときに、スマートフォンで写真を撮っておくと、診察の際に医師が発疹の形や広がり方を確認しやすくなります。
撮影した日時が分かるようにしておくと、どのくらいで消えたかも伝えやすくなります。複数回出た場合は、そのたびに撮っておくとよいでしょう。
受診までにできる蕁麻疹のセルフケア
受診するまでの間も、かゆみはつらいものです。
かゆみを和らげ、症状を悪化させない工夫を取り入れてみてください。
冷やして掻かないようにする
かゆみが強いときは、保冷剤や冷たいタオルで患部を冷やすと、かゆみが和らぐことがあります。保冷剤は直接肌に当てず、タオルで包んで使いましょう。
掻くと皮膚への刺激で、かゆみや膨らみが広がったり強まったりすることがあるとされています。爪を短く切り、締め付けの少ない服を選ぶことも役立ちます。
体を温める行動を控える
体が温まって血流が増えると、かゆみが強まることがあります。
- 熱いお風呂や長湯を避け、ぬるめのシャワーで済ませる
- 飲酒を控える
- 激しい運動を控える
また、原因に心当たりのある食べ物や薬は避けておきましょう。ただし、すでに処方されている薬を自己判断でやめるのではなく、医師に相談してください。
セルフケアはあくまで受診までのつなぎです。症状が続くときは、早めに医療機関を受診しましょう。
まとめ
蕁麻疹で何科に行くか迷ったときのポイントは、次のとおりです。
- 蕁麻疹の受診先は皮膚科が基本
- 発熱や全身の不調を伴う場合は内科、子どもは小児科も相談先になる
- 食べ物や薬との関係が気になる場合は、アレルギー科も選択肢
- 息苦しさやのどの違和感、腹痛や嘔吐、ぐったりするなどを伴う場合は119番へ
- 数日続く、繰り返す、かゆみで眠れない、広範囲に出ている場合は早めの受診を
- 受診前に、出た時間や食べたもの、服用中の薬を整理し、写真を撮っておく
蕁麻疹は、つらいかゆみを我慢しながら過ごす必要はありません。症状に合った診療科を選び、気になる症状があれば早めに医療機関へご相談ください。