アレルギー検査

最近では、気づかないうちにアレルギーを抱えている人が増えています。花粉症をはじめとして、さまざまなアレルギーが潜んでおり、自覚症状がないだけで実際はアレルギーを持っていることが少なくありません。特に、目立った症状がないために見過ごされがちなアレルギーは、日常生活に影響を及ぼす可能性があります。そのため、自分の体の状態を正確に把握するためにも、一度アレルギー検査を受けることをお勧めします。検査を受けることで、知らなかったアレルギーを特定し、適切な対応策をとることができるので、健康管理の一環としてぜひ検討してみてください。

アレルギー検査について

アレルギー検査は、体が特定の物質(アレルゲン)に反応するかを確認するためにおこないます。これにより、アレルギーの有無を明らかにすることができるため、日常生活でのアレルゲンとの接触を抑えるなどの対策を講じることが可能です。

アレルギー検査は、さまざまなアレルゲンに対する身体の感受性を調べるための重要なツールです。以下にそれぞれの検査方法について詳しく説明します。

イムノキャップラピッド

イムノキャップラピッドは、指先から少量の採血をして、わずか20分で結果が得られる迅速なアレルギー検査です。1歳以上の子どもから検査が可能で、その手軽さから多くの医療機関で導入されています。この検査では、花粉症やハウスダストなど、身近に存在する8種類のアレルゲンに対する特異的IgE抗体の反応を調べることができ、日常的に悩まされている原因を特定する手助けとなります。

Viewアレルギー39

「Viewアレルギー39」は、従来のアレルギー検査の課題を克服するために開発された検査です。少量の採血で済み、39種類ものアレルゲンに対するIgE抗体を同時に測定することができる点が特長です。この検査はアレルギー性鼻炎(花粉症を含む)、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、気管支喘息など、さまざまなアレルギー疾患の原因物質のスクリーニングに特に有効です。感作アレルゲンを迅速に特定することで、適切な治療計画を立てる際に役立ちます。

MAST36(マスト36)

MAST36は、アトピー性皮膚炎、花粉症、アレルギー性鼻炎などの原因を一度に特定するためのアレルギー検査です。36種類の高頻度アレルゲンを一度に測定できるため、精度の高い診断が可能です。検査時の採血量が少なくて済むことは、特に小児患者や採血が困難な患者にとって大きなメリットとなっています。これにより、患者の負担を軽減しながら、迅速で多面的なアレルゲンの評価が可能になります。

金属アレルギー検査(パッチテスト)

金属アレルギーが疑われる場合には、パッチテストが有効です。この検査では、皮膚(通常は腹部)に金属の試薬を貼り付け、その反応を観察します。特定の金属に対するアレルギーを持つ場合、貼付部に皮膚炎などの症状が現れます。検査対象となる金属には、アルミニウム、コバルト、スズ、鉄、白金、パラジウム、マンガン、インジウム、イリジウム、銀、重クロム、ニッケル、亜鉛、金、銅が含まれ、金属アレルギー患者が感じる原因を特定する手がかりとなります。

これらの多様なアレルギー検査は、患者の症状の原因を特定し、的確な治療を行う上で重要な役割を果たしています。各検査の特性を理解し、最適な選択肢を選ぶことが、アレルギー治療の効果を最大化するための第一歩です。

アレルギーについて

アレルギーは、免疫システムが本来無害である物質を誤って異物として攻撃する反応です。これにより、鼻水やくしゃみ、肌のかゆみなどの多様な症状が現れ、生活に支障をきたします。

アレルギーの原因

私たちの体には、異物から身を守るための免疫機能があります。通常、免疫は細菌やウイルスといった異物に対して反応し、体を守ります。しかし、アレルギーでは、花粉や食べ物、ハウスダストなど、本来は無害である物質を異物として誤認識してしまうのです。このため、体内にアレルゲンが入るたびに過剰な免疫反応が起き、アレルギー症状が現れます。

特定の物質をなぜ異物と判断してしまうのかはまだ解明されていませんが、遺伝的要因や生活環境の変化など、さまざまな要因が関与していると考えられています。

アレルギーの症状

アレルギーの症状は人によって異なりますが、一般的には鼻水、くしゃみ、咳、喉の痛みなどがあります。これらの症状は風邪によく似ていますが、アレルギーの場合は水っぽい鼻水や頻繁なくしゃみなどが特徴です。また、目のかゆみや充血、肌のかゆみ、蕁麻疹といった症状も見らレます。

食物アレルギーでは、アレルゲンを摂取するとアナフィラキシーショックと呼ばれる重篤な反応を起こすことがあります。そのため、アレルギーを持つ人は日常的にアレルゲンを避ける生活が重要です。

アレルギー検査の流れ

当院でのアレルギー検査は以下の流れでおこなわれます。

1.問診表の記入

アレルギー症状や発症時期、原因と思われるものを問診表に記入します。

2.診察

記入した問診表を基に、医師によるヒアリングと必要に応じた視診が行われます。

3.検査

アレルギーが疑われる場合、血液を採取し、必要な検査を行います。

4.結果確認

検査結果が出るまでに約1週間かかります(イムノキャップラピッドの場合は即日)。結果を基に、医師が今後の治療方針を説明します。

この流れにより、適切なアレルギー診断と治療が進められるのです。

アレルギーの治療法

アレルギーの治療は、まずアレルゲンを特定することから始まります。アレルゲンが分かったら、できるだけその物質を避けるように生活習慣を調整することが重要です。

アレルギー検査によって、アレルゲンが判明すれば、いよいよ治療を薦めていくことになります。

アレルギー治療は主に対症療法が中心であり、免疫システムの過剰な反応を抑えることに焦点が当てられます。

具体的な対策として、花粉アレルギーの場合は、花粉の飛散情報を確認し、外出を控えたり、マスクやゴーグルを着用して体内への侵入を防ぎます。一方、食物アレルギーでは、食品の成分表示を徹底的に確認し、外食や新しい食品を試す際にはアレルゲンが含まれていないかをしっかり聞くことが求められます。

アレルゲンを完全に排除することは難しいものの、こうした日常管理を根気強く続けることで、アレルギー反応の頻度と重症度を減らすことが可能です。また、医師の指導の下、適切な投薬治療を行うことで、症状をさらに効果的に管理することができます。薬の中には抗ヒスタミン薬やステロイド薬などがあり、症状に応じた薬を用いることで、生活の質を向上させることができます。

アレルギー性湿疹について詳しく知りたい方はこちらの記事を参照にしてください。

アレルギーはスキンケアが大切

アレルギーを予防するためには、スキンケアが非常に重要です。不適切なケアは、肌の状態を悪化させ、アレルギー反応を引き起こす可能性がありますので、注意が必要です。

スキンケアの基本は、まず洗顔から始まります。洗顔料はしっかり泡立てて使い、泡で優しく洗うことが大切です。肌を直接こすらず、泡のクッションで摩擦を最小限に抑えましょう。敏感肌用の低刺激製品を選ぶと良いですが、肌との相性は個人差があるため、いくつか試して自分に合う製品を見つけることもポイントです。

肌の健康を保つためには、保湿も欠かせません。保湿を行うことで、肌のバリア機能を強化し、外部からの刺激やアレルゲンの侵入を防ぎます。保湿は、特に洗顔後や入浴後の肌が清潔でまだ少し湿っている状態で行うと、最大の効果を発揮します。保湿剤も低刺激で、肌に優しいものを選ぶことが重要です。

もしアレルギー性湿疹の症状がひどい場合は、医師に相談することをお勧めします。医師の指導の下、状態に合った適切な保湿剤を使用することで、より効果的なケアが期待でき、症状の悪化を防ぐことができます。このように、スキンケアをしっかり行うことで、アレルギーの予防と管理が可能となり、生活の質が向上します。

アレルギー検査に関するよくある質問

アレルギー検査は保険適用ですか?

アレルギー症状を改善するために、アレルゲンを同定する必要があるため、現在多くのアレルギー検査が保険適用となっています。

その検査が受けられるかはクリニックによりますので、まずはクリニックに相談してみましょう。