皮膚トラブルの代表でもある「ニキビ」は、ほとんどの方が経験したことがあるでしょう。ニキビは思春期だけに起こる肌トラブルではありません。20〜30代の大人世代も悩まされている方が多くいらっしゃいます。
ニキビにも種類があり、ニキビの種類に適した治療が必要です。
本記事では、ニキビの原因や治療法、予防法について詳しく解説しています。
ニキビでお悩みの方はぜひご参考にして、正しいケアでニキビ問題を解消しましょう。
ニキビとは?
ニキビとは、毛穴の中に皮脂が詰まることで炎症を引き起こす皮膚トラブルです。
おでこや頬、下顎、口周りに発症しやすく、すぐに治る軽度のものから跡に残りやすい重度のものまであります。
発症しやすいのは、思春期〜青年期にかけての年齢層ですが、20〜30代の大人でもニキビに悩まれている方は少なくありません。90%の方がニキビになったことがあるというほど、多くの方が経験している皮膚トラブルです。
ニキビは発症部位や種類によって治療法や対処法が異なります。
ニキビの種類に合った治療を行うことはもちろんのこと、ニキビができる原因を理解し、ニキビを発症しにくい環境づくりを行うことも大切です。
ニキビの種類
- 白ニキビ
- 赤ニキビ
- 黄ニキビ
白ニキビは、ニキビの初期段階です。毛穴に皮脂が詰まって、毛穴の出口は閉鎖されている状態です。白い小さな発疹が現れます。
専門用語で「コメド」「閉鎖面疱」と呼ばれ、ニキビの原因となるアクネ菌が増えつつも炎症はまだ起きていません。
赤ニキビとは、白ニキビが悪化し、炎症が生じている状態です。専門用語で「炎症性面疱」と呼ばれます。毛穴に詰まっている皮脂にアクネ菌が繁殖し、炎症を起こして赤く腫れてしまいます。
そして、黄ニキビとはニキビがさらに悪化している状態です。「膿疱性面疱」と呼ばれ毛穴の出口に黄色い膿が溜まります。炎症が周囲にまで広がり、しこりやニキビ痕ができやすい状態です。
ニキビの原因
ニキビの主な原因は以下の3つです。
- 毛穴の詰まり
- 皮脂の過剰な分泌
- アクネ菌の増殖
ニキビの原因は、皮脂量が多すぎることで毛穴に皮脂や汚れが詰まってしまうことです。毛穴の中に皮脂が溜まり出口が封鎖されている状態をコメドといいますが、コメドの内部はアクネ菌が増殖してしまいます。
その結果、皮膚に炎症が生じて起きてしまう発疹です。
男性の場合は、男性ホルモンが増加することで皮脂量が増え、ニキビが発症しやすくなったり悪化しやすくなったりします。そのため、男性ホルモンが増える思春期にニキビで悩まれる方が多いのです。
一方で女性の場合は、生理前のホルモンバランスの変化によって皮脂量が増え、ニキビが悪化しやすい傾向にあります。
ニキビの治療法
ニキビの治療法は、ニキビの種類、進行具合によって異なります。
治療法を大きく分けると、以下の2つの方法に分けられます。
- 白ニキビの場合(ニキビの初期段階)
- 赤ニキビや黄ニキビが多く、進行している場合
それぞれの治療法を詳しく解説します。
白ニキビの場合
白ニキビの場合は、ピーリング作用がある塗り薬を塗布します。ピーリング作用には、古い角質を除去したり、毛穴を広げたりする効果があるからです。
早い段階で治療することで、赤ニキビや黄ニキビまで進行することを防げます。
ただし、ピーリング作用がある塗り薬は、最初の数週間はヒリヒリする・赤くなる・乾燥するなどの副作用が生じることがあります。
継続することで慣れますが、使い始めの副作用が気になる方は塗り薬の量を減らすなど調整すると良いでしょう。
赤みが強い場合は使用をやめ、医師に相談してください。
赤ニキビや黄ニキビが多く、進行している場合
白ニキビも含まれた赤ニキビや黄ニキビの治療は、ピーリング作用のある塗り薬と抗生物質の塗り薬を併用して治療します。ピーリング作用のある塗り薬は治療だけでなくニキビ予防にも使われるため、塗布する範囲は医師と相談するとよいでしょう。
また、赤ニキビ・黄ニキビの進行したニキビだけの治療の場合は、抗生物質の塗り薬を使用します。炎症の強さによっては抗生物質の飲み薬を処方することもあります。
ニキビを繰り返さないために
ニキビは見た目だけの問題ではなく、痛みや違和感を伴うことが多いものです。
治療が完了しても、ニキビの根本的な原因を改善できていなければ、ニキビの発症を繰り返してしまうことになります。
ニキビを繰り返さないためには、以下の4つの点に気をつけましょう。
- 皮膚への刺激を避ける
- 洗顔は丁寧に
- 生活習慣を見直す
- 肌に触れるものを清潔に保つ
それぞれの注意点を解説します。
皮膚への刺激を避け
治療後の部位を触ったりメイクしたりするなど、刺激を与えるようなことは避けましょう。
手に付着した細菌やメイクによる刺激などで、ニキビが悪化する恐れがあります。
ニキビがない状態であっても、過度な摩擦や長時間のメイクは肌に負担がかかりやすく、ニキビを発症させる原因となってしまうため気をつけましょう。
洗顔は丁寧に
ニキビの原因は、毛穴に皮脂が入り込むことであるため、皮膚を清潔に保たなければなりません。
洗顔を丁寧に行い、過剰に分泌された皮脂や汚れをしっかり洗い流しましょう。
ただし、力強く擦ったり刺激の強い洗顔料を使ったりすると、ニキビの原因になる可能性もあるため避けましょう。
生活習慣を見直す
睡眠不足やストレス、疲労なども免疫力が低下するため、ニキビができやすくなります。
規則正しい生活習慣を心がけ、免疫力の向上を心がけることでニキビの予防につながります。
肌に触れるものを清潔に保つ
肌に触れるものが汚いと、汚れや細菌が皮膚に付着してニキビの原因となります。
メイクブラシやタオル、男性用カミソリ、枕など、肌に触れるものは常に清潔に保ちましょう。
ニキビに関するよくある質問
ニキビに関するよくある質問を以下にまとめています。ニキビで同じようなお悩みをお持ちの方はご参考にしてください。
思春期にニキビが増えるのはなぜ?大人のニキビとは違うの?
思春期にニキビが増える原因は、性ホルモンの増加から皮脂の分泌量が増えるためです。
大人ニキビは、ストレスや睡眠不足、食生活などの乱れた生活習慣が原因であることが多くあります。そのほかにもメイクによる肌の負担、不適切なスキンケア、肌のターンオーバーの乱れなどさまざまな要因が考えられます。
また、女性の場合は生理前などホルモンバランスが変化する時期に、皮脂分泌量が増加し、ニキビを発症しやすくなります。
ニキビは市販薬でも治せる?
ニキビは市販薬でも対応可能です。
しかし、市販薬で改善がみられるニキビは軽度の炎症を起こしているものに限られます。
悪化したニキビの場合は、皮膚科を受診して適切な薬を処方してもらったほうがよいでしょう。
また、医師の診察を受けることでニキビの種類に適した治療法を行えるため、ニキビでお悩みの方は皮膚科を受診することをおすすめします。
ニキビは感染症ですか?
ニキビは感染症ではありません。ニキビの原因となるアクネ菌は常在菌です。
ただし、毛穴が詰まった状態を放置していると細菌感染が起きやすく、炎症が広がってしまいます。
ニキビは感染症ではありませんが、皮脂や汚れの詰まりを避けるためにも肌を清潔に保ちましょう。
肌を清潔に保つことで、ほかの感染症予防にもなります。